今日は空を眺める日

大方、大学生視点からの映画講評ブログです。たまにふらふら雑多なこともつぶやいてます。今まで見た映画は200本ほど、、それらの感想を少しずつ書いていきます。

【天地明察】天元

 

 

 

一つのことを極めるということの難しさ、それに全力を尽くすことによって生じる周りとのすれ違い。そういうものも書かれていて面白かった。

 

主人公の性格が良かった。

聖人君子という意味の良かったではなく、

魅力的な人だったという意味で。

 

自分の命をかけて人生を歩むということ、自分の興味のために命をかけられるということ、私にはそういうものがあるのだろうか。

このためなら死んでも良いってどのような感覚だろうか。

私にはまだそこまでの考えが無いから魅力的に見えるのかもしれない。

興味のあるものに対する情熱はあるが、不安定である。どこか他にも自分にできる何かがあるかもと寄り道をしたくなる。

 

主人公のすごいところは、天文学の天才であるだけでなく、囲碁打ちでもあること、情熱を幾多のものに注げること、時間をかけられる持久力、体力、全てが好きだ!おもしろい!という感情からくるものに見える。

 

安井算哲の見た、北極星を私も見てみたくなった。

 

 

 

【風立ちぬ】

この映画は私がジブリで唯一実在した人間を描いているだけにリアリティがあって面白いため、ジブリの中で最も好きな映画である。

 

 

私はこの映画も好きだが、レビューを見るのがとても面白く好きである。

賛否両論ある映画のレビューでは、いろいろな考察、人生観…そういうものが多種多様に見られて面白い、中でも好きなレビューを載せようと思う。

 

https://movies.yahoo.co.jp/movie/344584/review/7321/

 

おわり

 

 

 

【おおかみこどもの雨と雪】甘さと強さは紙一重

おおかみこどもの雨と雪を見ました。

 

※ネタバレ注意です。※

 

純粋に良かったなあと思うところを書き出したいと思う。

まず家族設定が現代風な家庭環境であるところ、家の中の描写が秀逸だった。

セリフには、雪と雨の家は少しお金がないだとか言う話は出てこなかったと思うが、部屋の散らかり具合などから伝わってくるワンオペの大変さ、その中で雨と雪のお母さんはよくやっていること…そういうものが作画に書き込まれており、アニメなのにあまりにリアルでひきこまれた。

 

特にグッときたセリフがある。

「笑うな、笑っていたら何もできんぞ」

この映画の主人公(?)の花が、愛想よく、辛い生活の中で笑っていた時に、言われた言葉

まるで誰か一人に伝えたいと思って入れたような、ピンポイントでグサッとくるセリフ。

 

このセリフがすごく引っかかった。

 

私も誰かの愛想笑いに救われることがある。そういう人は強い人だなと思う。一方でそういう人には脆さも感じる。

私もたまに愛想笑いをする。悲しい時大丈夫だと自分に言い聞かせるように笑う。

それは、現実に向き合っているようで向き合っていない、同じ方向の少しずれた線の上に逃げて、私は笑えるほど余裕があると言い聞かせているかのよう。

たまには自分の向き合うべき現実に、笑って誤魔化すことをやめなければならない。

畑を耕すように、春、夏、秋、冬と季節が巡るのを真剣に見つめて見なければならないな、とおもうことがある。

 

 

「この本、良い!」と思う瞬間に何を思っているか

 

みなさんは、「この本、良い!」と思う時はその本がどういう本だったときですか?

 

私は共感すればその本は良い本になります。ストーリーの面白さは、登場人物の発言に共感するかどうかで決まるような気がします…

 

しかしながら、共感以外に表現の美しさや文体なども、本を評価するひとつとして重要なことです。

私は、それらの中でもとりわけストーリーへの共感という部分を重視しているようです。

共感できればできるほど、より面白くて読み応えある良い本だったな、という感想になります。

 

中にはきっと、様々な観点から本を読んで、それらをバランスよく総合的に良いかどうかを決めたりする方も、はたまた例えば、表現のみに着眼して決める方もいるのでしょうか…?

 

読書レビューを見ていると、色々な方の本の楽しみ方が読めて興味深いです。

表現のうまさに評価基準があったり、ストーリーの面白さを評価してたり、読書の楽しみ方はいろいろありますね

 

受け入れ難い日常故の現実味のなさ

何度も帰ってきてと言われたが

結局、帰省ができなかった。

迷惑をかけそうで……

 

漠然とした焦燥感。

自分が自分でないような感覚。

まるで現実味がない。

世の中がセピアっぽく見える。

記憶に色がついていない。

 

花が揺れているのは花の意思ではなく、風によって揺られているだけだが、私はそういう花になった気分。

何か違うと思いながら風による揺れを自分の力で揺れていると思い込んで解釈している、その辺の雑草の類に分けられる花と同じ気分。

 

いつ終わるんだろうというものに世界は巻き込まれているけれど、それもいつかは終わる。

あまりに某感染症のことばかり考えると精神衛生上良くない。

だからといって現実から目を背けるわけにもいかない。

 

結局帰省ができなかったというのは誰かに止められたのではなく、私が自らやめたこと。

私が帰ったとして、もし私の周りが苦しんだとしたら?という最悪ルートは断ちたかった。

 

真面目すぎると言われるかもしれない。

しかしよく考えた結果、帰省はやめた。

おそらく帰ってくると思っていたであろう実家には、よく説明をして帰らぬ旨を伝えた。

意外と理解してくれた。

ほっとしたとともに帰省の目処が来年まで立たないこともあり、複雑な気持ちであった。

 

こんな時も日々働いている医療に従事してる人のこと、今後のこと思うと、とても私は帰れなかった。 

 

 

 

 

【バケモノの子】

 

バケモノの子をみました。

 

 

まず、前半の目覚めるような彩度高めの背景、後半の前半と対比するかのような夜の暗い場面の背景、神は細部に宿ると言いますがどの場面も色彩が抜かりなく美しく設定され、終始素晴らしい作品でした。

 

登場人物の大半がバケモノであるため、一応人間である私は、感情移入できないのでは?と思いましたが思ったより人情(?)物語であったために登場人物に共感できる部分も多くありました。

 

スタジオ地図の作品は、人間関係の暖かさが描かれている作品が多いですね。

サマーウォーズはまさにその暖かさに焦点を当てていることがわかりやすく、それが大ヒットの要因でもあったかと思います。

 

 

この映画は孤独を感じやすい現代に、どう人を信じいかにして生きていこうかという気の遠くなるような苦悩に、前向きに背中を押してくれるようなスカッとするストーリーでした。

 

レビューの否定的な意見に「ハートフルさにうんざりする」と言うものがありました。これは正直なところわからなくもないです。たしかに(私の周りだけかもしれないが)現実の人間関係は映画の中で描かれているほど暖かくないときが大半ですね。この映画は、そういう冷たさなどの人間関係の生々しいリアリティを刻々と描いているような映画ではないです。なのでそういう冷たい部分での共感は全くできません。むしろリアリティは適度に排除しているようにさえみえます。

 

では、この映画からなにを読み取れば良いのかということです。(純粋に何も考えず見てもとても面白いですが)

バケモノの子のHPバケモノの子HP(http://www.bakemono-no-ko.jp/sp/)の監督のコメント

「新しい子供たちは何を道しるべに成長すればよいのか。 また新しい大人である私たちは、 子供たちにどんな姿を見せ、何を手渡してあげられるのか。 この映画を通して共に考えていけたらと思っています。」

これこそがこの映画の伝えたいものなのではないかと感じました。

 

私はまだ世間で言うと若者だなーと言われる立ち位置にいます。監督のように、これからの子供たちに伝えたいものがあるわけでもないですね。次の世代のことを考える余裕はなく自分のことで手一杯です。自分を客観視すると日々、世の中の理不尽さに、どこへ行っても蔓延する孤独さに、憤り、悩み、躓いてさらに孤独の深みにハマっていくような若者という感じです。

 

しかし、この映画と監督のコメントをみて、ストーリーがうんざりするような綺麗事だとは思いませんでした。

 

ストーリーだけでなく、この映画を作った方々が私よりも上の世代であると共に、今日の世の中や次世代をよくしていこうという大人が世の中にはいるという事実含めて、むしろ、見終わった後は、真っ暗な世の中が少し明るくみえるようになった気がします。

 

バケモノの子は明日が楽しくなるような、良い映画でした。

 

 

 

【監視者たち】面白かった

映画のレビュー記事です。

 

 

映画、監視者たちを見たので感想を書くことにしました。

 

韓国で観客動員数500万人を超えた大ヒット作です。

 

この映画は私に韓国映画ってこんなに面白いんだ、と教えてくれたように思います。

 

韓国はあまり映画のイメージがありませんでした。映画というよりドラマ。中でも長編ドラマが多いイメージ、財閥とか、貧富の差がある恋愛ものが有名であるという認識でした。

 

しかし、この映画はミステリーアクションというジャンルに分けられます。どちらかというとアクション多めです。

 

警察が犯人を追うため、ハラハラするシーンもいくつかあります。暴力的な場面も多々あります。そこで突拍子もない技が披露されたりはせず完全に人と人のアクションシーンで、逆にそれがリアルで思わず息を呑んでしまいます。

 

 

登場人物のセリフや行動からたまに韓国の警察の常識を知ることができてそこも面白かったです。

主人公の快活なキャラクターと登場人物の個性や能力がとても映画の良さを引き立たせています。

ずっと張り詰めた空気感ではなく、たまに入るコメディっぽい要素も面白くて最後まで飽きなかったです。

 

また字幕版では日本語でセリフが出てきますが昔韓国で流行ったドラマのセリフ?を冗談で使った?ようです。これは全く分かりませんでした。(なんでそのセリフだけ日本語⁈ってなります。)

 

ストーリー展開の見せ方がうますぎます。

気づいたら見入ってしまっていました。

 

アクションかと思いきや、かなり頭脳戦で戦略的に犯人と駆け引きするような展開もあり単調には物語が進まないところも面白いです。おすすめです。